マーケティングコラム Column

毎日投稿しても伸びない理由。本数より先に決めるべき3つのこと

企業のSNS運用でいちばん多い相談が、「毎日投稿しているのに伸びない」というものです。

結論からいうと、投稿の本数と伸びは比例しません。むしろ、本数を増やすことが目的になった時点で、伸びにくい方向へ進んでいることが多い。理由を整理します。

本数を増やしても、届く人は増えない

いまのSNSは、フォロワーに順番に配信される仕組みではありません。投稿ごとに一部の人へ配信され、その反応が良ければ配信先が広がる、という形で動いています。

つまり、届く人数を決めているのは投稿数ではなく、1投稿あたりの反応です。反応が弱い投稿を10本出しても、強い投稿1本には届きません。

さらに、反応の弱い投稿が続くとアカウント全体の評価が下がり、次の投稿の初速も落ちます。量を出すことが逆に効くケースは、ここにあります。

毎日投稿が機能する場合、しない場合

毎日投稿がまったく無意味というわけではありません。効く条件があります。

  • ストックが十分にあり、1本あたりの質を落とさずに出せる
  • 立ち上げ期で、どの切り口が当たるかを検証している段階
  • 日常の様子そのものがコンテンツになる業種(飲食、小売など)

逆に、こういう場合は効きません。

  • ネタが尽きて、内容が薄い投稿で埋めている
  • 担当者が疲弊して、確認が雑になっている
  • 反応を見ずに、出すこと自体が目的になっている

ここを判断せずに「とりあえず毎日」を掲げると、消耗だけが残ります。

本数より先に決めるべきこと

伸びていないアカウントを見ると、たいてい次の3つが決まっていません。

1. 誰に向けた発信なのか

全員に向けた投稿は、誰にも刺さりません。「20代でこういうことに困っている人」くらいまで絞って、その人が反応する内容に寄せたほうが、結果的に届く人数は増えます。

2. このアカウントを見ると何が得られるのか

フォローされるかどうかは、「これからも見る価値があるか」で決まります。1投稿ごとに内容がバラバラだと、次も見たいとは思われません。

扱うテーマを絞ることに抵抗を感じる方は多いのですが、絞ったほうが伸びます。

3. どの数字を見て判断するのか

いいね数だけを見ていると、改善のヒントが得られません。見るべきは、保存率(役に立ったか)、視聴維持率(最後まで見られたか)、プロフィール遷移率(次の行動につながったか)です。

この3つを毎回記録しておくと、どの切り口が効いているのかが見えてきます。

現実的な進め方

本数を減らして、1本あたりに時間をかける。これが基本方針になります。具体的には次の順序です。

  • 週2〜3本に落として、企画に時間を使う
  • 出したあと、必ず数字を見て記録する
  • 反応が良かった切り口を、角度を変えて出し直す
  • 当たった型が見つかったら、そこから本数を増やす

順番が大事です。当たる型が見つかる前に本数を増やしても、当たらない投稿が増えるだけです。

続けられる体制になっているか

もうひとつ、見落とされがちなのが運用体制です。担当者が本業のかたわらで撮影・編集・投稿・返信をすべて抱えていると、質を保ったまま続けるのは難しくなります。

本数を減らすという判断は、担当者を守る判断でもあります。続かなくなって止まるのが、いちばん損失が大きい。

「頻度を落とすと評価が下がるのでは」という不安について

投稿を減らすと表示されなくなるのでは、という心配をよく聞きます。ここは分けて考える必要があります。

たしかに、何ヶ月も投稿が止まればアカウントの動きは鈍ります。ただ、週2〜3本という頻度は「止まっている」状態ではありません。この頻度で伸びているアカウントはいくらでもあります。

むしろ影響が大きいのは、反応の弱い投稿が連続することです。頻度を保つために内容を薄めるのは、評価を下げにいっているのと同じです。

ネタが尽きないようにする作り方

週2〜3本でも、毎回ゼロから考えていると続きません。ストックをつくる仕組みにしておくと、負荷が大きく下がります。

  • 撮影日をまとめる:月に1〜2日を撮影日にして、その日に複数本分を撮る
  • 型を決める:反応の良かった構成をテンプレート化し、中身だけ差し替える
  • 質問を集める:実際に顧客から聞かれたことをメモしておき、そのまま企画にする
  • 過去の投稿を作り直す:伸びた投稿は、時間をおいて角度を変えて出し直せる

とくに3番目は強いです。顧客が実際に聞いてくることは、他の人も気になっていることです。そのまま企画になりますし、内容に困りません。

数字の記録は簡単な表で十分

分析ツールを入れる必要はありません。投稿ごとに次の項目をスプレッドシートに残しておけば、判断はできます。

  • 投稿日、内容のテーマ、冒頭の切り口
  • 再生数、視聴維持率、保存数、プロフィール遷移数
  • その回で試したこと(変えた点)

3ヶ月ほど溜まると、どの切り口が効いているかが見えてきます。逆にこれを残していないと、たまたま伸びた回の再現ができません。

記録は完璧でなくてかまいません。続けられる粒度にしておくほうが、結果的に役に立ちます。

まとめ

SNSで見られている数字は、投稿の量ではなく1投稿あたりの反応です。

毎日投稿しても伸びないなら、頻度ではなく中身に問題がある可能性が高い。まず本数を落として、誰に何を届けるかを決め直すところから始めてみてください。

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