SNSキャンペーンのメリットとデメリット。実施前に決めておく5つのこと
フォロー&リポストでプレゼント、ハッシュタグをつけて投稿してくれた人に抽選で、といったSNSキャンペーン。短期間で数字が動くため、施策としては分かりやすい部類に入ります。
ただ、目的を決めずに実施すると、フォロワーは増えたのにその後の投稿が伸びなくなった、という状態になりがちです。ここでは、メリットとデメリットの両方を整理したうえで、実施前に決めておくべきことをまとめます。
SNSキャンペーンの主な種類
まず、どんな型があるかを押さえておきます。目的によって選ぶ型が変わります。
- フォロー&リポスト型:応募のハードルが最も低く、拡散されやすい。フォロワー獲得向け
- いいね&フォロー型:拡散力は落ちるが、参加のしやすさは高い
- ハッシュタグ投稿型:応募者に投稿してもらう形。UGC(一般の人の投稿)が残る
- インスタントウィン型:その場で当落が分かる。参加率が高くなりやすい
- フォトコンテスト型:手間はかかるが、質の高い投稿が集まりやすい
- 購入応募型:レシートや購入履歴を条件にする。売上に直結しやすい
メリット
1. 短期間で数字が動く
通常の投稿でフォロワーを1,000人増やすには数ヶ月かかりますが、キャンペーンなら数日で届くこともあります。立ち上げ直後で母数がないときに、初速をつける手段としては有効です。
2. 拡散の速度が速い
とくにリポスト型は、参加そのものが拡散になります。普段リーチできない層のタイムラインに、応募者を経由して入り込めます。
3. UGCが残る
ハッシュタグ投稿型やフォトコンテスト型では、一般ユーザーの投稿がプラットフォーム上に蓄積されます。企業の発信より第三者の投稿のほうが信用されやすいので、キャンペーン終了後も判断材料として機能し続けます。
4. 費用の見通しが立てやすい
賞品の原価と当選数が決まっていれば、かかる費用はおおよそ計算できます。運用型広告のように、出してみないと分からないという部分が少ない。
5. 既存フォロワーの反応が戻る
しばらく反応が鈍っていたアカウントでも、キャンペーンをきっかけに動きが出ることがあります。反応が増えれば、その後の通常投稿の初速も上がりやすくなります。
デメリット
1. 懸賞目的のアカウントが集まる
最大の注意点です。プレゼント応募を目的にしたアカウントが大量に流入すると、フォロワー数は増えても、その後の投稿にはほとんど反応しません。
反応率が下がると配信されにくくなるため、キャンペーン前より通常投稿が伸びなくなるということが起こります。数字上は成功しているのに、実態は後退しているという状態です。
2. 終了後に離脱する
当選発表が終わると、一定数はフォローを外します。残った人が本来の見込み客かどうかは、キャンペーンの設計次第です。
3. 運用の手間が想像より大きい
当選者の抽選、DMでの連絡、住所の回収、賞品の発送、問い合わせ対応。応募が数千件になると、この事務作業だけで相当な工数になります。社内でやるのか、外部に任せるのかは事前に決めておいたほうがいい部分です。
4. 法令の確認が必要になる
景品表示法の対象になる場合があります。設計を間違えると、違反になる可能性があります(詳細は後述)。
5. 続けないと効果が持続しない
キャンペーンで増えた数字は、次のキャンペーンをやらないと落ちていくことがあります。キャンペーン頼みになると、実施しない月の数字が説明できなくなります。
景品表示法の基本ルール
SNSキャンペーンは、応募条件によって扱いが変わります。ここを間違えると設計をやり直すことになるので、企画の段階で確認してください。
購入が条件でない場合(オープン懸賞)
フォローやリポストだけで応募できるものは、商品の購入を伴わないためオープン懸賞として扱われ、景品額の上限規制はありません。
購入が条件の場合(一般懸賞)
レシートの提出、購入後のハッシュタグ投稿、会員限定の応募などは、取引と結びついていると判断され一般懸賞になります。この場合は上限があります。
- 取引価額が5,000円未満:景品の最高額は取引価額の20倍まで
- 取引価額が5,000円以上:景品の最高額は10万円まで
- いずれの場合も、景品の総額は懸賞に関わる売上予定総額の2%まで
「購入した人だけが応募できる」形にした時点で、ルールが変わると覚えておくと安全です。判断に迷う設計になった場合は、実施前に専門家に確認することをおすすめします。
実施前に決めておく5つのこと
- 目的:フォロワー数か、UGCか、売上か。ひとつに絞る
- 賞品:自社商品にするか、汎用ギフトにするか
- 応募条件:ハードルを上げるほど参加者は減るが、質は上がる
- 期間:短いほど参加率が上がりやすい
- 終了後にどうするか:いちばん抜けやすい項目
賞品は自社商品にしたほうがいい理由
ギフトカードや家電などの汎用的な賞品にすると、応募者は一気に増えます。ただし集まるのは「その賞品が欲しい人」で、商品への興味とは無関係です。
自社商品を賞品にすると応募数は落ちますが、集まるのは商品に興味がある層になります。フォロワー数を追うなら前者、その後の運用まで見るなら後者、という判断になります。
終了後の設計
キャンペーンで増えたフォロワーは、まだ商品を知りません。終了直後に通常運用へ戻すと、そのまま離脱していきます。
終了後1〜2週間は、商品の紹介や使い方など、興味を持ってもらうための投稿を意識的に入れておく。ここまで含めて企画にしておくと、増えた数字が定着しやすくなります。
まとめ
SNSキャンペーンは、短期間で数字を動かせる代わりに、動いた数字の中身が保証されない施策です。
フォロワー数を増やすこと自体が目的なら有効ですし、UGCを集めたい場合も向いています。一方で、既存フォロワーとの関係を深めたい段階では、必ずしも適した手段ではありません。
実施するかどうかより、何のためにやって、終わったあとどうするかを先に決めることが、成否を分けます。