SNSから来た人がサイトで離脱する原因と、直し方
SNSは伸びているのに、サイトに来た人がすぐ帰ってしまう。この状態は、SNS側の問題ではなくサイト側の問題であることがほとんどです。
SNSから来る人と、検索から来る人では、状態がまったく違います。その違いを踏まえずに作られたサイトは、せっかく集めた興味を取りこぼします。
SNSから来た人は「まだ何も決めていない」
検索から来る人は、自分で言葉を打ち込んで探しに来ています。目的があり、比較する気もある。
一方でSNSから来る人は、たまたま流れてきた投稿を見て、なんとなく気になっただけです。商品名も、会社名も、価格帯も知りません。「この会社、ちゃんとしてるのかな」くらいの温度で開いています。
この温度差を無視して、いきなり詳細なサービス説明を並べると、読む前に閉じられます。
離脱が起きやすい5つの原因
1. ファーストビューで何の会社か分からない
抽象的なキャッチコピーだけが置かれていて、何を扱っているのか読み取れないサイトは、SNS経由だと特に厳しいです。
検索から来た人は文脈を持っているので多少曖昧でも読み進めますが、SNSから来た人には文脈がありません。最初の画面で「何をしている会社か」が分かる必要があります。
2. 投稿で見たものが見当たらない
動画で紹介していた商品が、サイトを開いてもすぐ見つからない。これは想像以上に多い断絶です。
SNSで特定の商品を打ち出しているなら、その商品にまっすぐ着地させるべきです。トップページに飛ばして探させると、そこで半分は帰ります。
3. スマホでの読みやすさが崩れている
SNS経由の流入は、ほぼすべてスマホです。文字が小さい、横スクロールが発生する、ボタンが押しにくい。こうした細かい負荷が積み重なると、内容を読む前に離脱します。
PCで作って、スマホは縮小して確認しただけ、という作り方だと、ここが崩れやすくなります。
4. 読み込みが遅い
SNSのアプリ内ブラウザは、通常のブラウザより体感が重くなりがちです。そのうえ画像が最適化されていないと、表示される前に戻られます。
とくに動画から遷移してきた人は、テンポの速いコンテンツを見ていた直後です。待つことに慣れていません。
5. 次に何をすればいいか分からない
興味を持った人が、問い合わせればいいのか、資料を見ればいいのか、店に行けばいいのか分からない。行き先が示されていないと、そのまま離れます。
選択肢を並べるより、まず取ってほしい行動をひとつ決めて、それを目立たせるほうが機能します。
直すときの優先順位
全部を一度に直す必要はありません。効き方の大きい順に並べるとこうなります。
- ファーストビューで「何屋か」を分かるようにする
- SNSで打ち出している商品への直行導線をつくる
- スマホでの表示と読み込み速度を整える
- 次にとってほしい行動をひとつに絞って配置する
- その行動を後押しする材料(実績、口コミ、価格)を近くに置く
上の2つを直すだけで、離脱率がはっきり変わることが多いです。
SNSとサイトは分けて考えない
SNSの運用とサイト制作を別々の会社に頼むと、この接続部分が誰の担当でもなくなります。
SNSでどんな人を、どんな温度で連れてくるのか。その人が最初に見る画面に何があるべきか。ここは本来ひと続きの設計です。
SNSの数字が悪くないのに成果が出ていないときは、まずサイト側の受け皿を疑ってみてください。
どこで落ちているかを自分で確認する方法
原因を推測する前に、実際にどこで離脱しているかを見たほうが早いです。専門的なツールがなくても、次の3つで大まかには掴めます。
- アクセス解析で、SNSからの流入がどのページに着地し、どこで離れているかを見る
- 自分のスマホで、実際にSNSのアプリからリンクを開いてみる
- 関係のない人(できれば想定ターゲットに近い人)に開いてもらい、何をしようとしたか聞く
とくに2番目は必ずやってください。SNSのアプリ内ブラウザは、普通のブラウザとは表示も速度も違います。PCで確認しただけでは気づけない崩れが、実際にはよく起きています。
3番目も効果的です。作った側は構造を知っているので迷いませんが、初めて見る人は別のところでつまずきます。「次に何をすればいいか分からなかった」という感想が出たら、それがそのまま改善点です。
広告を回す前に、受け皿を直す
SNS広告を出せば流入は増えますが、受け皿が整っていない状態で流入だけ増やすと、費用をかけて離脱を買うことになります。
先に受け皿を直しておくと、同じ広告費でも結果が変わります。順番としては、サイトの改善が先、流入の増加が後です。
目安として、SNSからの流入で直帰率が7〜8割を超えているなら、集客より先に着地ページを見直したほうが投資効率は高くなります。
「作り直す」以外の選択肢もある
サイト全体を作り直すとなると、費用も期間もかかります。ただ、SNSからの受け皿という目的だけなら、既存サイトはそのままに、着地用のページを1枚つくるという方法もあります。
SNSで打ち出している商品に絞ったページを1枚用意し、そこに広告や投稿から直接飛ばす。既存サイトの構造をいじらずに済むので、着手も早い。
全面リニューアルを検討する前に、まずこの形で数字が変わるかを試してみるのは、現実的な進め方だと思います。
まとめ
SNSから来た人は、知識ゼロ・スマホ・短気という前提で見るのが実態に近いです。
この前提でサイトを見直すと、直すべき箇所はかなりはっきりします。集客を増やす前に、来た人が落ちない状態をつくるほうが、たいてい早く効きます。