インフルエンサー施策で失敗する4つのパターンと、依頼前の見極め方
インフルエンサー施策は、当たれば一気に動く一方で、外すと何も残らない施策です。
しかも「外した理由」が分かりにくい。フォロワー数の多い人に依頼したのに反応がなかった、という結果だけが残って、次に活かせないケースをよく見ます。
ここでは、失敗しやすい4つのパターンと、依頼前に見ておくべき点を整理します。
失敗パターン1:フォロワー数だけで選ぶ
いちばん多い失敗です。フォロワー数は「過去にどれだけ集めたか」を示す数字であって、「いま何人に届くか」ではありません。
見るべきは、直近の投稿がどれくらい伸びているかです。フォロワー10万人でも直近の再生が数千で止まっているアカウントより、フォロワー1万人で毎回3万回再生されるアカウントのほうが、届く人数は多くなります。
依頼前に、直近10投稿くらいの再生数・いいね数を実際に見てください。数字が公開されていない場合は、開示してもらえるか聞くのが確実です。
失敗パターン2:フォロワーの属性がずれている
商品のターゲットと、そのインフルエンサーのフォロワー層が合っていないケースです。
ここは見た目では判断できません。発信者本人が20代女性でも、フォロワーの多くが男性というアカウントは珍しくありません。年齢・性別・地域の内訳は、依頼前に必ず確認しておくべき情報です。
地域商材の場合はとくに重要で、フォロワーの大半が首都圏だと、数字が動いても来店にはつながりません。
失敗パターン3:投稿内容を細かく指定しすぎる
企業側が原稿を用意し、その通りに喋ってもらう。安全に見えて、これがいちばん効かないやり方です。
フォロワーがそのインフルエンサーを見ている理由は、その人の話し方や視点にあります。原稿を読まされている状態は、視聴者にはすぐ伝わります。そして、伝わった瞬間に「広告」として処理されます。
伝えるべきは、絶対に外せない訴求と、言ってはいけないことの2点だけ。あとは任せたほうが、結果的に伝わります。
失敗パターン4:1回で判断してしまう
1回の投稿で成果が出るのは、もともと知名度がある商品か、価格が安く判断が軽い商品に限られます。
検討期間のある商品では、1回見ただけでは動きません。同じ人が繰り返し触れているのを見て、はじめて信用が生まれます。
予算を1人に集中させるより、複数人・複数回に分けたほうが機能しやすいのはこのためです。
依頼前に確認しておきたいこと
- 直近の投稿の再生数・エンゲージメント率
- フォロワーの年齢・性別・地域の内訳
- 過去のPR投稿の反応(通常投稿と比べて落ちていないか)
- 案件を受ける頻度(PRばかりのアカウントは信用が下がっている)
- 二次利用の可否と期間(広告素材に使えるか)
最後の二次利用は、見落とされがちですが影響が大きい項目です。反応の良かった動画をそのまま広告に転用できるかどうかで、施策全体の費用対効果が変わります。契約時に確認しておいてください。
成果をどう見るか
インフルエンサー施策の成果は、投稿単体の再生数だけでは測れません。あわせて見るべき数字があります。
- 投稿期間中の指名検索数の変化
- サイトへの流入数とその推移
- クーポンコードや専用URLからの反応
- 投稿後に増えたUGC(一般ユーザーの投稿)
とくに指名検索の変化は、認知が実際に動いたかを示す指標として分かりやすいです。
規模ごとの使い分け
インフルエンサーは、フォロワー規模によって果たせる役割が変わります。予算配分を決めるとき、この違いを踏まえておくと判断しやすくなります。
- ナノ(〜1万):フォロワーとの距離が近く、推奨が効きやすい。単価も低いため、複数人に依頼して面で押すのに向く
- マイクロ(1万〜10万):専門分野が定まっていることが多く、商材との相性が合えば費用対効果が高い
- ミドル(10万〜50万):一定の認知を取りつつ、ある程度絞った層に届く。バランス型
- トップ(50万〜):認知の拡大には強いが、費用が大きく、フォロワー層は広く浅くなりがち
新商品の認知を一気に広げたいならトップ、購入まで持っていきたいならマイクロ〜ナノを複数、というのが基本の考え方です。「とりあえず有名な人」に寄せると、費用は大きいのに動かない、という結果になりやすい。
依頼するときの進め方
実際に依頼する場合は、次の順で進めるとトラブルが起きにくくなります。
- 商材のターゲットを明確にする(年齢、性別、地域、悩み)
- その層に届いているアカウントを、直近の投稿の反応から絞り込む
- フォロワー属性の開示を依頼し、想定とずれていないか確認する
- 絶対に伝えたいことと、言ってはいけないことだけを共有する
- 投稿内容は本人に任せ、公開前に事実確認だけ行う
- 投稿後2週間程度、指名検索とサイト流入の変化を追う
4と5が重要です。細かく指定したくなる気持ちは分かりますが、そこを我慢できるかどうかで結果がはっきり変わります。
広告であることの表示について
企業から依頼を受けて投稿する場合、その旨を明示しないと問題になります。「PR」「提供」といった表記を、見た人がすぐ分かる位置に入れる必要があります。
隠したほうが効くのではと考える方もいますが、逆です。あとから発覚したときの損失のほうがはるかに大きく、依頼したインフルエンサー側の信用も落とします。
明示したうえで、それでも良いと思ってもらえる内容にする。これが前提になります。
まとめ
インフルエンサー施策で外す原因は、ほとんどが「誰に届くのかを確認しないまま依頼した」ことに集約されます。
フォロワー数は入口の情報にすぎません。直近の反応と、フォロワーの中身。この2つを見るだけで、失敗の確率はかなり下げられます。