マーケティングコラム Column

10〜30代に届くSNS施策の設計。「探す」から「流れてくる」への前提の変化。

10〜30代に商品を届けたいとき、いちばん最初に考えなくはならないのが「どうやって情報を知ってもらうか」についてです。

これまで40代以降の世代にとって、情報は「検索して探すもの」でした。
しかし、今の10〜30代にとって情報は「流れてくるもの」です。
この違いは、マーケティングやPR施策の設計の仕方そのものを変えます。

「検索する情報」と「流れてくる情報」

検索は、探したいものが自分のなかにあるときに使う行為です。
「◯◯市 カフェ」と検索するユーザーは、すでに特定のエリアのカフェに行きたいと思っています。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンだけでなく、AIを活用した検索に関しても同様です。

また検索されるということは、その商品カテゴリや商品名を知っているということです。
逆にいえば、まだ知られていない商品や、言葉にしづらい商品は、そもそも検索されません。

一方でSNSは、探していないモノに出会う場所です。
カフェに行こうと思っていなかった人が、たまたま流れてきたカフェの紹介動画を見て、つい行きたくなる。
ここが決定的に違います。

新しいサービス、こだわりのある食品、地域の店。
こうしたものは検索需要が小さく、受け身で待っていても知ってもらえず、もちろん人は向こうから来ません。
しかしSNSで情報を流せば、その情報に触れたユーザーから「これ、なんだか良さそう!」と思ってもらえる可能性が広がります。

つまりSNSは、「0から需要をつくる施策」として機能します。

決め手になるのは、企業の発信より他人の投稿

もうひとつのSNSの特徴が、企業の公式発信より、第三者の投稿を信用するという点です。

具体的に言うと、企業アカウントが言う、自社商品に対しての「この商品良い!」「この商品美味しい!」は、ユーザーから広告・宣伝として認識されます。
(さらに言うと、「自分たちのことを悪く言うわけないよね」という感想を持たれます。)

一方で、実際に商品を使った・食べたユーザーが投稿するレビュー動画は、ユーザーが見られます。

この前提に立つと、施策の優先順位が変わります。
整った広告を1本つくるより、良さをユーザーから語ってもらえる状態をつくるほうが効果的であるケースがほとんどであることから、”商品の良さ”をPRしたい場合、公式アカウントの運用よりもインフルエンサー施策やUGC(ユーザー投稿)を重視すべきということが言えます。

※企業アカウントから発信する場合、例えば店員同士が喋っている動画などは、偽りのないリアルな空気感が醸し出されるためユーザーから支持されやすい傾向にあるので、運用方針次第では有効です。

また、若いユーザーであっても、「この商品いいな!」と思った後に、情報が本当に正しいものかなど信憑性を確認するためにGoogleで情報を調べます。
WEBサイトやGoogle検索、Googleマップなども疎かにしてはいけません。

設計するときの順番

以上を踏まえると、10〜30代向けの設計はこうなります。

1)そもそも検索される商品か、されない商品かを判断する
2)企業発信だけでなく、第三者が良さを語れるようにする(インフルエンサー施策・口コミ施策など)
3)SNSから来た人が納得できる受け皿(サイト・プロフィール)を整える

つまり、SNSも重要で、WEBサイトやGoogleマップなどの最後の受け皿も重要ということですが、特にSNSの活用は手法によって効果が大きく変わるため注意が必要です。

なぜ「受け身」の情報取得が主流になったのか

この変化は、若い世代の性格の問題ではありません。
情報の量が、人が処理できる量を超えたことによる合理的な適応であり、近いうちに40代以降の層にも当てはまるようになります。

選択肢が10個なら比較できますが、1万個あると比較そのものが苦痛になります。そこで「自分に合いそうなものを勝手に見せてくれる」仕組みのほうが快適になる。SNSのおすすめ表示は、まさにそれを担っています。
つまり、探す手間を省きたいという需要に、プラットフォーム側が応えた結果です。
この流れが逆行することは考えにくく、企業側は「見つけてもらう」前提で組み直す必要があります。

また、地方ほど情報取得の変化の影響は大きくなります。
地方の商品や店舗は、検索需要そのものが小さいという構造的な不利があります。
「新潟 ○○」で調べる人の総数には限りがあり、限られた検索数を各社で取り合う形になります。

一方でSNSだと、地域に関係なく届きます。エリアを越えて動画を見て「わざわざ行ってみたい」と思う導線は、検索からは生まれにくい。
ここが、地方の事業者にとってSNSの価値がとくに大きい理由です。
実際、地方の店で行列ができるようになった事例の多くは、地元の集客だけはなく、県内外からの流入で起きているケースが多くあります。

まとめ

10〜30代に届けるということは、「探されるのを待つ」から「情報が流れていく場所に置いておく」へ、前提を切り替えるということです。

また必要なのは、未来のお客様たちが日常的に情報と出会う場所に、情報を置いておくことです。

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